「任意整理」に関するQ&A
任意整理をしても意味がないと聞いたことがあるのですが、本当ですか?
1 任意整理の効果
たしかに、任意整理をしても自己破産のように返済義務を免れられるというわけではなく、返済を続けていく必要はあります。
もっとも、任意整理には次のような効果があります。
①月々の返済の負担を軽減できる
②最終的に貸金業者等に支払う金額を減らせることが多い
また、③自己破産や個人再生と比べて債務者の方の負担が小さい、という特徴もあります。
以下、それぞれについて詳しく説明します。
2 月々の返済の負担を軽減できる
任意整理をすると、一般的には残債務の元金と経過利息、および遅延損害金の合計額を、3~5年(36~60か月)で分割して返済できるようになります。
仮に現在月々3万円を支払っていて、残債務の元金と経過利息等の合計額が100万円であるとします。
この状況で任意整理をし、50回で分割返済できるようになると、月々の支払額は2万円になり、毎月の返済の負担を軽減できます。
3 最終的に貸金業者等に支払う金額を減らせることが多い
任意整理をする前においては、比較的高い利率に基づいた利息の支払いをしていることが多いと考えられます。
毎月の支払額のうち、利息が占める割合が大きいため、元金が減りにくく、なかなか返済が終わらないということもあります。
最終的に貸金業者等に支払う金額も、かなり大きくなります。
これに対し、任意整理後の返済の対象は、残債務の元金と経過利息、および遅延損害金の合計額となることが多いです。
将来支払う利息がなくなるので、最終的に貸金業者等に支払う金額を減らせることがあります。
なお、貸金業者等の経営方針や、任意整理前の返済状況等によっては、将来利息が課せられることもあります。
4 自己破産や個人再生と比べて債務者の方の負担が小さい
任意整理は、自己破産や個人再生と比べると、債務の減額効果は小さいといえます。
一方で、自己破産や個人再生は、申立ての準備において多数の書類作成や資料収集が必要となることに加え、申立て後も数か月間に渡って裁判所等とのやり取りを続けることになります。
弁護士費用も、30~50万円程度必要です。
任意整理の場合、貸金業者等とのやり取りはほとんど弁護士が行いますので、基本的に債務者の方が行うべきことは和解案の確認のみとなります。
弁護士費用は、貸金業者等1社あたり数万円程度です。
借金がすべて1~2年の取引しかない場合には任意整理をする意味はありませんか? 時効の完成猶予とはなんですか?